【メタ思考トレーニング】メタ思考とはなにか~ビジネス力をアップさせる力~

【書評】メタ思考トレーニング 著者・細谷功
【メタ思考トレーニング】という本を読みましたので、今回はメタ思考についてご紹介しようと思います。
そもそもどうしてこのメタ思考について興味を持ったかというと、今年受けた冨田三穂先生のセミナーで「メタ認知的学習」という言葉が出てきたからです。
正直あまり知らない言葉でしたので、この機会に本を読んでみたという感じです。
少し勉強してみると、なかなか素晴らしいことに気付きました。
メタ思考(認知)が有効な場面
私がこの言葉を知ったのは大人が英語学習を行う際に有効、という文脈でした。
大人はメタ認知的学習ができるため、子供よりも学習能力が高いからとのことです。
「メタ」とは「上」を意味し、 「メタ認知的学習」とは、自分の学習を一段上から見ることができるということです。 つまり、ただ学習を行うのではなく、「脳に効かせる学習」を行うことができるということです。 例えば筋トレでも、ただ重いものを挙げるのではなく、 「ここの筋肉を効かせることを意識しよう」とか、 「より効かせるために挙げる時は早く、下げる時はゆっくり動かそう」とか、 自分自身がより良い方法にするための監督者になれるということですね。
そういった意味で、大人は子供よりも学習能力が高いということでした。 【スピーキング力UP!!】冨田三穂さんの英語スピーキングセミナーに参加しました!より |
しかしメタ思考は、こうした勉強だけでなく、ビジネスシーンでも役に立つ考え方です。
それでは早速ですがメタ思考についてご紹介していきます。
メタ思考とは何か
メタ思考とは上で述べたように、「一つ上の視点から」考えるということです。
言い換えれば、「もう一人の自分が、自分を客観視している」ということが出来るということです。
このようなメタ思考が出来る人は、大きく2つの力があります。
一つは、成長するための「気付き」を得ることが出来るということ。
このためには自分が知らないことに気付く必要がありますが、メタ思考で自分を上から俯瞰することで、普段見えてない領域に気付くことが出来るため、成長することが出来るということです。
つまりは問題に気付く力があるかどうかということです。
勉強でもスポーツでもそうですが、「自分の弱い部分」を認識することができれば勉強や練習の方法も変わってきますよね。
私は受験勉強の時には点数が定量化されますから、どの教科が弱いとかどの部分が苦手かとか認識をすることでそれを補ってきましたが、野球についてはメタ認知がとても苦手だったと思います。
自分がどんな選手でどこが弱いか考えることって、ある種自分の弱さを認めなくてはいけませんから、なかなか一筋縄にはいきません。
今思えばもっとちゃんと自分と向き合っていて、どこが強みでどこが弱いのかとか考えることが出来ていれば、自分の野球人生ももっと変わったものになっていたかもしれません。笑
2つ目は、「思い込みから脱する」ということです。
人間、その分野に精通すればするほど、新しい技術や理論に否定的になりがちではないでしょうか。
だいたい新しい理論にケチをつけるような人はその道数十年とか、プロレベルになった人とかですよね。
このように「自分の考えは正しい」と一寸の狂いもなく信じている状態が「思い込み」の状態であるわけですが、自分の視野を広げていくためにはこの思い込みを避け、自分が信じていたことが誤っていたのではないか、と疑うことが必要です。
この時にメタ認知が求められるわけです。
野球の例を出して申し訳ないですが、私もずっと「ダウンスイング」が正しいと思っていたクチですから、
「下から出す」という令和スイング理論が出てきたときには自分の考えを疑ってかかる必要があったわけです。
この際には比較的柔軟に対応し、受け入れることが出来たかとは思いますが、このように新たな理論を受け入れ、成長していくためには自分を俯瞰するメタ認知が重要となってくるわけです。
具体的にどうやるか?
では具体的にどうやってメタ思考を取り入れていくかという点ですが、有効な方法の一つに、Why思考で考えるというものがあります。
この方法はビジネスシーンでも役立つので細かく見ていきましょう。
方法は簡単で、問題に対して「なぜ?」と問いかけていくものです。
例えば上司から「キャッシュレスについて調べてくれ」と指示を受けたとき、あなたは最初にどのような行動をするでしょうか。
おそらく多くの人は、
- インターネットで調べる
- 書籍を購入する
- 詳しい人に聞く
このようなアプローチを取ることになるかと思いますが、これはWhy思考ではなく、How思考になります。
How思考では具体的にどのように行うか、実行することを重視しています。
一方でWhy思考(メタ思考)ではどうなるでしょうか。
同様の課題が出された時、Why思考を持つなら最初のアプローチとして、
- 調査結果を何に使うのかを上司に確認
- 調査目的が何か、仮説を立てる
といったように、問題そのものに一度疑問を呈し、依頼そのものの目的を確認するアクションを取ることになります。
このようにWhy思考を持つことで、一つ上の(メタ)領域から問題を考えることが出来るようになり、
「そもそもこの問題でよいのか?」「問題の中でどこが優先順位が高いのか?」と考えることが可能になります。
上記の例でいえば上司からの課題は「キャッシュレスについて調べてくれ」というものであったわけですが、
メタ思考を行うことで
- キャッシュレスについて調べることで、どんな成果物が必要なのか(顧客へのプレゼン資料に使うのか、社内の説明資料なのか)
- キャッシュレスについて調べる中でも、決済方法が最も重要な情報なのか、利用者数が最も重要なのか、、
といったように、「課題のその先」に解決しなくてはならないものを考慮しながら仕事を行うことが出来るわけです。
先を見ながら課題を行うことで、与えられた課題に対して求められている以上の付加価値を乗せて上司へ提出することが出来るようになります。このような力は社内でも顧客に対してでもとても役立つ力であると私は考えます。
正直に申し上げると私はまだまだメタ思考を手に入れていません。
仕事ではスピードが重要だと思っているので、基本的には与えられた仕事に対して早く提出をしようと考えるため、いちいち「Why?」とか考えずに与えられたものをそのまま理解して早く提出しよう、というインセンティブのもとで仕事をしています。
スピード感はあるかもしれませんが、もっと本質的なこと、付加価値を生み出せるようなビジネスマンになるためには「メタ思考」が重要になるのだと思います。
今後はもっと「メタ」の思考を手に入れて、付加価値を高められるようなビジネスマンになりたいと思います。
今回ご紹介した【メタ思考トレーニング】には、具体的な事例をもとにした演習問題がたくさん掲載されていますので、是非お手に取ってみて下さい。