本当のバリュー投資とはファイナンス理論をもとにした投資だと思う②企業分析におけるCF計算書の重要性

真のバリュー投資について学んでいるところですが、今回は第二回として企業分析におけるCF計算書の重要性、について考えていきたいと思います。
Contents
CF計算書の重要性
第一回目で述べた通り、私は真のバリュー投資はファイナンス理論に則った投資だと考えています。
会計的なアプローチ(利益重視)ではなく、ファイナンス(キャッシュ)の観点から企業を分析していきます。
この理由は、「会計は意見」「キャッシュは事実」と言われるように、会計の指標からは本質的な企業の価値、継続的な収益創出能力を判断しづらいからです。
なぜ「会計は意見」と言われるかというと、PL上の利益は費用計上の方法によって上下したり、最終利益である純利益は、その年にのみ計上されるような特別利益によって上昇したりすることがあるためです。
一方でキャッシュフローは現金の出入りですから、費用計上の方法などで操作はできません。
また、会計が見るのはあくまで過去の結果です。ファイナンスは経営者的な視点に立ち、将来CFを徹底的に予測して企業の価値や投資価値を判断する、未来を見る理論です。
投資は本来、将来の成長を期待して行うものですから、これもまた本質的な考え方ではないかと思います。
ここがキャッシュフローを重視する理由です(かなり簡単ですが)。
ファイナンス理論における株価の考え方
ファイナンスの世界では、企業価値はその企業が将来生み出す将来キャッシュフローの現在価値に必ず収れんするという考え方があります。
企業価値から債権者(銀行とか)の取り分を引くと株主価値、つまり株主の取り分になりますから、厳密には違いますが、ほとんど株価と考えて良いと思います。
つまるところ、乱暴ですが株価はその企業が将来生み出すキャッシュフローの現在価値と考えることができ、キャッシュを生み出し続ける会社の株価がやっぱり高くなるというわけです。
もちろん株式市場は美人投票と言われることもあるほど、結局は需給で決まるわけですが、バリュー投資の根本にある考え方は以上の通りで、とにかくキャッシュを生み出す力が強い企業を選んで投資をすることが大事というわけです。
じゃあ企業がキャッシュを生み出す力があるかということを確認するためにどうするかというと、CF計算書で営業CFの数字を確認していけばいいわけです。
もちろん企業のステージによってはまだまだ営業CFが生み出せない優良企業も多いですが、真のバリュー的アプローチでは、キャッシュを生み出す力こそが企業価値向上の源泉となります。
文字数も増えてきたので、序章としてここらへんにしておきます。
また次回。